キッチンの居心地
アイランドやワークトップが隠れるカウンターを使ってキッチンを開放的に設えることが多くなってきました.
昔と違いキッチンを炊事場として他の居室と切り離す必要はなくなり、リビングやダイニングの一部としてキッチンを造り「住まい」を広く見せることが可能です.
また、キッチンに立つのが一人でない家庭が増えていることもその理由かもしれません.
その分、冷蔵庫や電子レンジ、家電製品の置場や調理器具の収納などが同時に目に入り易くなることを意識しておかないと、周囲が片付かなくなりストレスになります.
キッチン家具製作:深津木工
基材:タモ柾目材
三人家族のこの住まいではキッチンをダイニング側に開いてありますが、上段の木製カウンターが手元を隠すようにしています.
テーブルにいる子供やご主人と話をしながら炊事をしたり、カウンターに置いた料理や食器の配膳を手伝ってもらったり、家族との距離を考え家具の高さやボリウムを決めてあります.
調理中に電話やメールで手を休める時にキッチンに立ったまま窓から外へ視線が抜けると、気持ちの切り替えもできるし、 一息つくこともできます.スマートホンやタブレットでレシピを確認するときなどは、 キッチンスツールをどこかへ忍ばせておくとさらに居心地の良い場所になります.
キッチン家具製作:深津木工
基材:ラワン・榀・ピーラー
大きな一枚の屋根の下に4人家族のリビング・ダイニング・キッチンを間仕切りなしに同居させています.
キッチンユニットの前に据えた配膳カウンターでキッチンとダイニングを分け、 さらに 屋根中央を支えるスチールの柱で緩やかにリビングを分けています.
こんな住まいだとごく自然に食事の支度や後片付けは全員でということになり、ダイニングからキッチンへも家族の団欒の場が拡張することになります.
キッチン家具製作:阿部木工
基材:ラワン材
キッチンを家族に向けてオープンにすることで時間のない朝や、炊事や調理を同時進行したい時など家族に助けてもらい易くなります.2人以上でキッチンに立つのならカウンター周りをぐるっと廻れる様にしておくととても効率が良くなります.
この家ではダイニングテーブルからキッチンを通り抜けて夫人用の書斎机まで直列に収納造作を展開させてあります.大学で教鞭を執り家で執筆することの多い夫人にとって、この動線が生活の軸になります.
背中側は食器・ゴミ箱ワゴン・炊飯器・ウォーターサーバーなどが収納できる現場造作家具になっています.
キッチン家具製作:阿部木工
背面収納造作:宮嶋工務店
基材:タモ柾目材
こもれる台所も居心地が良いものです.台所を一人で占有するなら、食堂からしっかり独立した使い勝手の良いキッチンが欲しくなります.
菓子作りに勤しんだり、自分だけのレシピを研究したり、使う人にとっては書斎と同じような役割を持つようになります.散らかしても誰にも文句を言われない、言わせない、落ち着いて思索と創作に専念する場所になります.
キッチン家具製作:阿部木工
基材:ナラ板目材
築40年を超える木造住宅のリフォーム.
基礎の補強と1階耐力壁の増設を主に手狭になったキッチン・ダイニングを分け1階の長辺方向にキッチンを造り直しました.
長さ3.6mあるキッチンカウンターの隣に家族共有の書斎を造作して繋げてあります.キッチンからダイニングと玄関へ抜けられるよう、1階の使い勝手に廻れる動線を組み入れています.
キッチンの隣にワークスペースがあることでまだ小さな2人の子供たちが父母の目の届くところで学習したり遊んだりして過ごすことが出来るようにしました.書斎机は2人が並んで座れる長さが確保されています.
この贅沢に長いキッチンに3人が並んで立つことも近い将来ありそうです.
キッチン家具製作:深津木工
書斎造作家具:宮嶋工務店
基材 :タモ柾目材