家具と造作
調理台・食器棚
使い勝手良く効率的な調理家具がしつらえてあれば、料理の苦手な人でもその負担が減らせますし、料理好きなら台所は、一層楽しく、一番のお気に入りの場所になるはずです.
食材や調理器具の収納はもちろん、ごみ分別の工夫、対面型の台所であれば食堂側には絵本や雑誌のラック、あるいは食卓カウンターに早変わり.なんてことができるのも、設計・製作ならではです.
カウンターは、ステンレス、人造大理石、無垢板、天然石など、使い勝手で選んでいます.シンクには、洗剤用のポケットを作ったり、仕舞える料理本ラックを作ったり、住み手の要望をきっかけにデザインしたものも少なくありません.
ダイニングテーブル
3人家族のこの住まいではダイニングテーブルを大きめに拵えてあります.お母さんたちがお茶を飲む横で子供が絵を描いたり、宿題をすませたり、読みかけの本を脇にどけて、子供たちと夕食の下拵えをしたり、ひとつのテーブルの上で同時にいろんなことが起こります.
傷や落書きにも耐え、必要な時には表面を削ってリファインできる様に無垢板を使い、スペースに合わせて製作しています.
ナラ無垢テーブル:阿部木工/阿部繁文
写真:有田佳生
2本脚テーブル
周りに多くの人が腰掛けると、テーブル下は沢山の足で混み合います.天板を脚を4本から2本にしてみると、テーブル周りの使い勝手が驚くほど変わります.短辺に椅子を持ってきてもゆったりできるように、天板を少し厚くしてエッジを削り出し、2本の脚をやや奥に入れてあります.
ナラ無垢テーブル:楓林舎/横山浩二
TV棚・オーディオ収納
テレビの形や大きさは受信方法も含め
時代と共に多様化しましたが、テレビのない家庭はないといってよく、 設計の初期段階から使用頻度やテレビの置かれる環境をご家族と一緒に考えています.
そして、オーディオやゲームなどの周辺機器も家庭によって様々な要望があり、TV棚・TV台を設計させて頂くことが増えています.
大きさの違う周辺機器が雑多に見えないよう、DVD等のソフトやメディアの収納を含めてデザインします.扉を閉めたままリモコンが使えたり、スピーカーの低音が TV台と共振したりしない様にシンプルな形の中に工夫を隠しておきます.
部分から全体へ
目的をはっきりさせると収納も個性化する家具を作る予算は潤沢になくても何を仕舞うのか、見せるのか隠すのか、はっきり決まってくると収納も用途に応じて個性のあるものになります.写真はテレビ台の下に作った、簡略型引き出し.こうした家具や造作はその家の特徴的なアイテムになっていくところがよいのです.