2025/11/23
上尾の家
この8月末に 「上尾の家」建替え計画がようやく完成し、先日植栽の相談のため造園家の栗田さんと伺った。
外観を整えつつも、それだけだと殺風景に見える。植栽が済んで植物が活き活き根付いた様は、 長く設計監理した身からすると 手柄を持っていかれた気がしてくるのは私だけだろうか。今回もその期待?大なのだ。
活き活きするといえば、住み始めを見る時も同じである。 もちろん、じっくり話し合って住まいを設計するが、想像した以上にうまく住みこなしいるのを見ると施主の思惑に深く頷かざるを得ない。 家が喜んでいるのがわかる。

建替えの相談は施主がここに中古住宅を求め、住み始めて10年ほど経った時だった。その家もセルフビルドを交えつつ、とても大人なインテリアだったが新居も豪胆なチークフローリングに負けないシックな雰囲気。
前の家に住み始めた際、植えたシマトネリコには決まった野鳥が来るようになり名前も付けたという逸話がある。その木は切られてしまったので新たにどんな木を植えるのか思案中。


天井高さがあるとペンダント照明が映えます.


手前にはSO-STYLEのメクラプレートと施工図.やっぱり揃った方が気持ちはいいよね.
この地域は建蔽率60%容積率80%制限。実際は建坪14坪余り、延べ床面積は27坪弱。
決して広くない床面積だが、天井高さにもメリハリをつけ、窮屈にならないようにしている。
1階にはご主人の音楽スタジオがある。南西の角庭に植える高木の姿を ここから眺めながら仕事できる日が待ち遠しい。「住まい」であるためスタジオといっても書斎も兼ねる居室である。遮音もさることながら、自然光での明るさ、空調・換気、通風にも配慮している。
配慮といえば、この家では コンセントプレートに パナソニックのSO-STYLEを採用している。(通常はJIMBO/NK)でも、いつも残念なのは24時間換気スイッチとガスコンセント。過度に丸い、ちょっと「もったり」したデザイン。他と釣合わない。「見なかったことにしては?」と提案したが、施主とアンドウが「何とかする」と。
まあ、こうした’小さな拘り’の積み重ねが設計の’質’につながっていれば良いのだけれど。

